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「あいまいな喪失(ambiguous loss)」とは

 かけがえのない人や物を失うことを「喪失(loss)」と言います。「喪失(loss)」を経験すると、多くの場合、その直後は悲嘆反応という悲しみの反応が出現しますが、時間の経過とともに少しずつその悲しみから回復していきます。悲しむことは、とても自然なことです。

「あいまいな喪失(ambiguous loss)」は、その喪失自体があいまいで不確実な状況のことをいいます。Pauline Boss博士は、この「あいまいな喪失(ambiguous loss)」を「はっきりしないまま残り、解決することも、決着を見ることも不可能な喪失体験」と定義しました。そして、通常の喪失と異なり、あいまいな喪失の中にある人は、その悲しみのために、「前に進むことができなくなってしまう」と述べました。

 086.jpgまた、あいまいな喪失の状況では、しばしば「私は誰なのか」ということがわからなくなります。夫が行方不明の時、「私はまだ妻なのか、そうでないのか」、農夫が原発の影響で仕事ができなくなった時、「私はまだ農夫なのか、そうでないのか」といったように・・・。あいまいな喪失では、自分のアイデンティティや役割が脅かされるといわれています。

「あいまいな喪失」によって失われるもの

•大切な人(もの)の不在のために、それまであった関係性(relationship)や愛着(attachment)が失われます

•その人(もの)の未来とともに、自分の未来がきっとこうなるだろうという確実性が失われます

•自分の人生のコントロール感が失われます

•将来への希望や夢が失われます

•アイデンティティや、妻としての役割・子どもとしての役割といった自分の役割が失われます

•世界が安全な場所であるという信頼感が失われます

コンテンツ

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あいまいな喪失の二つのタイプ
あいまいな喪失による影響
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あいまいな喪失への対処