6つのガイドライン

支援者や専門家の方へ

Pauline Boss博士は、支援者が行う介入のガイドラインとして、以下の6つを挙げました。

 この6つのガイドラインは、直線的なものではなく、行きつ戻りつしながら円環的に進みます。この6つのガイドラインについては、2015年に刊行された「あいまいな喪失とトラウマからの回復(誠信書房刊)」の中で詳しく説明されています。

 

 

1.意味を見つける

<役立つこと>

・困った状況に「あいまいな喪失」という名前をつけてみる

・家族や仲間と、起こったことにどう対処しているのかを話し合ってみる

・隠し事をしない

など

 

2.支配感を調節する

<役立つこと>

・世の中はいつも公平ではないことを認める

・気持ちが沈み、うつ的になったとしても、全ての原因は、自分や家族ではなく、あいまいな状況のために起こっていることを知る

・自責の念を軽減する

など

 

3.アイデンティティを再構築する

<役立つこと>

・コミュニティの中で「心の家族(家族のように思える人)」を見つける

・家族の中で誰がどのような役割をとるのか、柔軟に考える

・孤立しない

・面目などの社会的な規範に過度にとらわれない

など

 

4.両値的な感情をノーマライズする

<役立つこと>

・罪悪感や恥、怒りの感情をもつことは、あたりまえのことであると認識する

・その感情を、仲間や信頼できる人と話し合ってみる

・家族や仲間との間で「話し合いはしないというルール」を作らない

など

 

5.新しい愛着の形を見つける

<役立つこと>

・心の中に存在する家族や家・故郷は、以前とは異なることを認める

・失ったものを悼み、まだあるものに対しては祝福する

・新たな人との絆を見つける

など

 

6.希望を見出す

<役立つこと>

・あいまいさに対して楽に対応できるようにする

・答えのない問いを受けとめる

・物事が思うように進まなくても、人生をコントロールできる感じをつかむ

・失敗しても大丈夫と思える

など