あいまいな喪失への対処

あいまいな喪失とは

あいまいな喪失への対処


あいまいな喪失からくるストレスは、対処が最も難しいストレスの1つといわれています。

 

 自分が誰なのか、どのように生きていけば良いのかがわからなくなり、まるで生きる術(すべ)を見失ったかのように感じるからです。

しかし、そのような中にあっても、すべてを失ったわけではありません。そこには必ず回復の鍵があり、希望があります。 

 

 以下は、あいまいな喪失に対処する時に、役立つことの一覧です。少しずつでもできそうな事を探してみて下さい。

 

 

対処に役立つこと


■毎日、それが無理ならば週に何度か、夫婦や家族で会話する時間を持ちましょう。意見の相違があっても構いません。まずはお互いの話に耳を傾けることが大切です。自分を理解してもらえる場があれば、どんな人にとっても、それは希望の源泉になります。

 

■家族の会話の場に、子どもたちも参加させましょう。小さな子どもに詳しく説明する必要はありませんが、親や周囲の大人がどんな事を心配しているのかについては、知らせておくべきです。どんな人にとっても、知ることは、何も知らないことよりは良いのです。

 

■自分が何を失い、何は失わずに残っているのか、少し整理をしてみましょう。それが整理できていないうちは、知らず知らずのうちに、罪の意識、恥、怒り、悲しみなどがまじりあった複雑な感情に苦しむことが多いのです。可能であれば、そのことについて、信頼できる人に少し話をしてみましょう。そのような事を整理し、話すことで、気持ちが楽になることがあります。

 

■考え事をしたり、人と話をする時、さまざまな感情がわいてくるかもしれません。そのような時は、自分に優しい気持ちをもちましょう。どんな感情や思いも、あいまいな喪失が原因で起こったものです。自分を過度に責めたり、恥ずかしさを感じたり、判断を下したりする必要はないのです。また、人は誰でも、物事がうまく進まない時、誰かを責めたくなるものです。しかし、そのことで家族や他の人を、過度に遠ざけてしまわないようにしましょう。

 

■情報を集めましょう。情報は力になります。知り合いの人、専門家、インターネットなど、情報源はいろいろあります。その情報をもとに、今の生活や考え方に、新しい選択肢がないか、考えてみましょう。可能であれば、家族や信頼のできる人と、そのことについて話し合ってみましょう。

 

■自分の思いを楽に表現できる人、あなたを理解し、あなた自身もそばにいて欲しいと思える人を探してみましょう。そのような人を「心の家族」と呼びます。

 

■変化を怖がらないで下さい。それはこれから生きていく上で、とても大切なことなのです。

 

■同じ体験をした人とつながれる場所があれば、是非、参加してみて下さい。その人たちは、多くを語らなくても、あなたの苦しみを誰よりも理解してくれることでしょう。